きまぐれレビュー

もやもや。

辻村美月さんの小説を2冊読みました。
たった2冊だけど、
辻村さんが人気なのはわけが分かるなって思った。
表紙なんかはメルヘンチックだし、女流作家だし
もうちょっとファンタスティックかとおもったらリアリスト。
若い魂のゆれや迷いをとことん突き詰めてくれるから
登場人物と同世代だったら
ずいぶん救われるのではないかな。
自分が通り過ぎてきたそういうモヤモヤの中に
今生きている人たちには、ああ、そうだね、そうだったよねと
知りつつも、感覚的には思い出すことができなかったり
想像したくもなかったりで
大丈夫だよ、そんなもんだよと
声をかけてしまうけれど、
そんなときにああなんだこうなんだと
徹底的に付き合ってくれる他人は
そうたくさんはいないだろうから。
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』
女子モノ。
自分のことを考えるから
後味がずいぶんマズイ
(これは自分の生き方のせい、
本の方は悪くない)
『僕のメジャースプーン』
哲学モノ。
登場する先生の哲学ぶりがすごい。
どんな問いにも凄い球を打つ。
自分だったらそんな問いかけは
面倒で面倒で耳に入ってこないだろう。
なので、おすすめ。