きまぐれレビュー

養生道

四つ切り画用紙をA3に切ったら、たてよこに10センチちょっと余りができて短冊がふたつできる。水彩紙や厚紙だと何かまだ楽しいことができそうで嬉しくなってしまう。でも今日は作るものが思い浮かばない。貝原益軒『養生訓』の一説でも書き写したくなる。

 

「養生の道、多くいふことを用ひず。只飲食を少なくし、病をたすくる物をくらはず、色慾をつゝしみ、精気をおしみ、怒・哀・憂・思を過さず。心を平にして気を和らげ、言を少なくして無用のことをはぶき、風・寒・暑・湿の外邪をふせぎ、また時々身をうごかし、歩行し、時ならずして眠り臥すことなく、食気をめぐらすべし。これ養生の要なり。」

 

活動的であるようだけど、食べ過ぎの他、しゃべりすぎたり、感情が動きすぎるのも、体には毒。でも眠りすぎもダメ。精気を惜しんで大切に使いなさいということを先生は繰り返し繰り返し言います。活力は心や体の内に静けさがなくては生まれない。ホントにその通りと思う。

 

しかし貝原先生、”東に向いて寝ろ”とか”月経中は髪洗うな””年代別の適切な交接(!)回数は月に何回だ”とか余計な指図ばかりするから時々気に入らない・・。また、時代や身分のずれ感が楽しい。召使に命じてマッサージするとよいとかって下りもあったな。現代語訳がいくつも出ているけど難しくないし何度も同じこと繰り返していうから分かりやすい。響きがよいし原文もおすすめであります。

 

インドの伝承医学、アーユルヴェーダとの比較で現代語訳で解説してる本があって面白かった。古今東西人の悩みというのは通じるものがあるようです。