きまぐれレビュー

さかさま

友達と北斎展観てきた。

名古屋のボストン美術館。
 

チケット売り場で年配女性が

ボストンまで何時間かがるんだがね。

みたいなギャグをのほほんと飛ばしていたわりに

中に入ったら浮世絵の前で大行列。
 

途中までは超スローなベルトコンベアに乗ってるふうで

浮世絵錦絵の風景よりも

ならんでる人々の群像が浮世絵のようで。
 

だけどやっぱり・・

富嶽三十六景、+追加制作の十景は格別。

知らなかったけど三十六景の1版目の輪郭線

スミ線じゃなくて、藍で刷ってある。

経年変化で色も当時のままじゃないだろうけど

それにしたって藍はきれい。

追加制作の方はスミ線ですが、ちょっと茶がかって見える。
 

でも富嶽のシリーズや怪談シリーズは

なんやかんやで長年長年

みんな素材として使いすぎて

手垢付けすぎてるよね。

名画の宿命といいますか。

オリジナルに対面するのに、

これがあの!みたいになって

それだけが残念。

真っ白な状態で出会ったらどんな感じだったろう。

凄いには違いないが。どんなふうに。
 

富嶽と同時期に刷られた

花のシリーズが粋で楽しかった。

鳥が飛んでくるんですが

だいたいいつも真っ逆さま。

かわいい。


ああ、あとね。
北斎さんの絵には風が吹いてる。
風が描いてあった!
風が刷られていた!
23日までやってる。