家族のふうけい

傘がない


雨の季節です。
先日ふと私は傘を持っていないことに気づきました。(ここ、BGMは「傘がない」 by井上陽水でお願いします)
もう通勤もしていないし、子供をおぶったり抱っこしたりして自動車から軒先へ移動することが多いから、傘を差す手がないとか、開いたり閉じたりする手間よりちょっと濡れてもいいや、とかそんな事情からです。
雨に濡れるといえばミュージカル「雨に唄えば」でジーン・ケリーが雨の中唄い踊る陽気なシーンが思い浮かびます。もうぬれねずみのやけくそ状態!
それから、沢木耕太郎も『深夜特急』で、雨に濡れるのが好きで、洋服が塗れない様に傘を差しているのがいやで(たった1日で)会社を辞めたと書いています。
「なぜたった1日で会社を辞めてしまったのか。
理由を訊ねられると,雨のせいだ,といつも答えていた。
(中略)
よほどの大雨でもないかぎり傘など持ったこともないというのに,今日は洋服が濡れないようにと傘をさしている。丸の内のオフィス街に向かって,東京駅から中央郵便局に向かう信号を,傘をさし黙々と歩むサラリーマンの流れに身を任せて渡っているうちに,やはり会社に入るのはやめようと思ったのだ,と。この話に嘘はない。」

ー沢木耕太郎『深夜特急2』より引用
傘がないってことはなんて自由なんでしょう!
などとしょうもないことを言っていないで、ご機嫌になるような素敵な傘の一本でも手に入れようと思う梅雨のある日でした。
イラストはいえがくネット(日本標準)6月号の表紙用